今日のスタック解決

バッテリー 3 (角川文庫)

バッテリー 3 (角川文庫)


「巧。おまえにだけは、絶対負けん。おれが、おまえにとってたったひとりの最高のキャッチャーだって心底わからせてやる」三年部員が引き起こした事件によって活動停止になっていた野球部。その処分明け、レギュラー対一年二年の紅白戦が行われ、巧たちは野球が出来る喜びを実感する。だが未だ残る校長の部に対する不信感を拭うため、監督の戸村は強豪校、横手との試合を組もうとする…。一方、巧と豪の堅かった絆に亀裂が入って!?青波の視点から描かれた文庫だけの書き下ろし短編「樹下の少年」収録。

バッテリー (4) (角川文庫)

バッテリー (4) (角川文庫)


「戸村の声がかすれて、低くなる。『永倉、おまえ、やめるか?』身体が震えた。ずっと考えていたことだった…」強豪校・横手との練習試合で打ちのめされ、敗れた巧。キャッチャーとして球を捕り切れなかった豪は、部活でも巧を避け続ける。監督の戸村はバッテリーの苦悩を思い決断を告げる。キャッチャーを吉貞に―と。同じ頃、中途半端に終わった試合の再開を申し入れるため、横手の天才スラッガー門脇と五番の瑞垣が新田に現れるが!?三歳の巧を描いた文庫だけの書き下ろし短編「空を仰いで」収録。

読みはじめると止まらない。
しかし、こんなに内面の話が多いとは思わなかった。

 秀吾が嫌なやつなら、野球が天才なだけのアホなやつなら、軽蔑もできた。それが、どうだ。
単純でおりこうさんでマジメくんだ。鼻持ちならない傲慢さも、他人を見下す愚かさも、ない。
天才で、けっこういいやつで、幼なじみだ。最悪だろう、海音寺。おまけに、このおれは、野球を諦めることも割り切る事もできずに、門脇の後ろ、横手の五番を打ったりしている。
最低最悪。気がついたら、もう十五だぜ。
 俊二は、ゆっくりと煙を吐き出した。
 それでも、もうすぐ終わる。秀吾とは別の高校に行って、野球ともサヨナラだ。長い付き合いだった。
ほんと、長かった。結婚して子どもができたら、話してやるよ。
「父さんはな、あの門脇秀吾と一緒に野球をしてたんだぞ」
      -あさのあつこ『バッテリー』-

総スタック数 77冊

2007年度解決数 82冊