今日のスタック解決

写楽 閉じた国の幻

写楽 閉じた国の幻


わずか十ヶ月間の活躍、突然の消息不明。写楽を知る同時代の絵師、板元の不可解な沈黙。錯綜する諸説、乱立する矛盾。歴史の点と線をつなぎ浮上する謎の言葉「命須照」、見過ごされてきた「日記」、辿りついた古びた墓石。史実と虚構のモザイクが完成する時、美術史上最大の迷宮事件の「真犯人」が姿を現す。

薀蓄ミステリ大好き。
写楽でミステリと言えば高橋克彦の『写楽殺人事件』も大好物。
しかも『写楽殺人事件』みたいにミステリ寄りではなく
マジに新説発表(しかも構想20年ww)というのだから
3000円弱と1日を潰してでも読む価値はあろう。
典型的島荘キャラな片桐女史には辟易したが
それ以外は楽しく読むことが出来た。特に江戸編。相変わらず挿話が上手い。
物語途中で島荘御大らしいスケールの大きい説の想像がつきちょっと嫌な予感がしたが
合作説も加える等、説得力のある魅力的な説になっていると思う。
そして珍しく後書き。
書きはじめた頃には裏付けが取れてなかった事や
分量書きすぎて到底本に収まりきりそうになかった等
色々書いてあって面白いww
実際色々投げっぱで小説の体をなしていないかもしれないが
この情熱が島荘御大の魅力。若い。
是非書ききれなかった後編を出してもらいたい。
投げっぱ謎のうち、肉筆画の件は最近海外で発見されたのとなんか関係あるのかなぁ?


『ハロウィン・ダンサー』も面白かったし、今年の御大は良い。
御大はもうダメかな?と思ってもしばらくしたら復活するから困るww


総スタック数  130冊→133冊

2010年度解決数  216冊→217冊