今日のスタック解決


「帰りたい」と少年は強く願った。「一緒に」と少女は強く思った。今、二人にとって、故郷と呼べるところは、二人が出会ったあの学園―聖マルグリット学園でしかなかったから。そう、無事にあそこまで戻ろうと、ヴィクトリカも一弥も手に手を取り合う。“ベルゼブブの頭蓋”と呼ばれる修道院から辛くも脱出した二人は、豪華列車“オールド・マスカレード号”に乗り込む。しかし、そこには自らを“死者”“木こり”“孤児”“公妃”と仮の姿で名乗る奇妙な乗客たちが。そして、列車内で起こる殺人事件。列車は、弾丸のように闇を貫き走り続ける。まるで、地獄の先へと向かうように―。一弥はヴィクトリカは、無事学園までたどり着けるのか?ゴシック・ミステリー第六弾。

作者が缶詰状態で気合を入れて書いた甲斐があったか、秀逸な出来。
構成の素晴らしさとか、ライトノベルミステリの中でも屈指の内容なのでは。
容疑者の独白形式な事情聴取もいいですね。
タロット風なイラストも素晴らしい。


「よーちゃん、人は死ぬものよ。それはたとえ、どんなに綺麗なお姫様であっても例外ではない。そして死んだ者は、もう何も語ることはないのよ」しずるさんが静かにそう語るとき、どんなに不思議な事件でも、それはもう解決している―でも彼女がほんとうに知りたいことは何なのか、私なんかにはよくわからなくて…白い病室の中で少女たちが話し合うのは惨たらしい四つの殺人事件の話です。それらはとても変わった事件で、被害者はなんだか、お伽噺の姫君のような有様なのでした。白雪姫に人魚姫、眠り姫にかぐや姫みたいな奇妙な死者たち―物言わぬその人たちの代わりのように、少女たちは大いに語ります。ねじれた謎を解くために、そして言葉にならなかった出来事をもう一度、はっきりと語り直すために。奇抜で不思議で突拍子もない、ちょっと意地悪なしずるさんの推理は、今回も容赦ありません―。上遠野浩平が描く、安楽椅子探偵ミステリー、第3弾。

2年ぶりの新刊。
上遠野浩平作品の中で一番いまいちなシリーズなんだよなぁ。
あとがきは良かった。

SHI‐NO―愛の証明 (富士見ミステリー文庫)

SHI‐NO―愛の証明 (富士見ミステリー文庫)


暗く、そして逃げることの出来ない僕と志乃の物語。第四弾!
珍しくデパートへ買い物に来た「僕」たち。だが、なんとそこで爆弾騒ぎに巻き込まれてしまう! 爆弾を発見したものの、デパートの電源が落ち、閉じこめられてしまう。カウントは7200秒! 犯人はいったい!?

第1部完・・・なんだが、まとまってないなぁ。
長編は向いてないんじゃないかとオモタ。
1冊短編3話位が理想か。