今日のプロ野球

▽フォークの握り助言

 日米通算201勝を挙げた野茂英雄氏が、臨時コーチとして沖縄キャンプに合流した。11日までの予定で「少しでも、参考にしてもらえることを伝えたい」と、熱心にアドバイスを送った。

 じっくりと練習を観察し、終了後にポイントを絞って簡潔に語りかける。それが「野茂流」だった。大島には「もっと腰を意識して投げてみては」と指示。永川にはセットポジション時のグラブの位置、今井にはフォークの握りを助言した。

 今井は「親指の位置などを教わった。1軍に残るために必要なので、さらに磨きたい」と参考にしていた。

 新外国人アルバラードには、異国で成功するポイントを説いた。「周囲の環境に気を取られず、自分の調整に集中すればいいと言われた」。アルバラードは真剣に聞き入った。

 初日からの精力的な指導ぶりに、野村監督も「投球モーションへの入り方について、しきりに指導していた。明日から試す選手もいるだろう」と満足顔。「僕らが気づかない指摘もあるだろうし、同じ意見になれば、指導が正しかった確認にもなる」と臨時コーチの意義を強調した。

 チーム最年長の高橋も「自分なりの目的意識を持って練習することが、けがの予防になると言われた。投球についても聞いてみたい」と目を輝かせた。日本の生んだカリスマ右腕が、投手陣の向上心に火を付ける。

今井には期待している。

横浜の新外国人のカスティーヨがフリー打撃で推定飛距離160メートル弾を放った。中堅122メートルの宜野湾市立野球場。約13メートルのバックスクリーンを越えて場外まで軽々と飛ばした。41スイング中4連発を含む柵越え12本に「感触は良かった。思い通りのコースに球が来て気持ち良く振れた」。

 球団関係者も「たぶん04年のウッズ以来。ここ数年は記憶にない」と驚く一撃。大リーグ通算39発の片りんを見せつける一方で、昨季は台湾・統一で打率・314の巧打者タイプとあって「8番・二塁」での起用が濃厚だ。1メートル86、90キロの大型二塁手は守備でも魅せた。初の投内連係ではどっしりした下半身を生かして二塁塁上で踏ん張り、ノーステップで一塁へ矢のような送球を連発。それでも「シーズンが始まるまでお楽しみだよ」と全開宣言はお預けだった。

カープファン的には
独立リーグ三冠王のハーストを思い出した。

阪神の城島が5日の休日に船釣りでゲットしたカンパチとマチ(ハマダイなどの通称)の刺し身を、この日の夕食で振る舞った。約20匹を釣り上げ、宿舎の料理人がさばいてバイキングメニューに加わった。

 「透き通るような色で、プリプリしておいしかった」と球団関係者。趣味を楽しむだけでなく、捕手らしい気配りで喜ばせた。

 休日明けの練習ではブルペンで藤川の球を受けると、自身もマウンドから変化球を交えて57球を投げて「投げないと肩が弱くなる」。飛び入りした今キャンプ初の屋外フリー打撃は柵越えゼロに終わったが、ロングティーでは107スイング中49本のスタンドイン。週末のファンを沸かせた。「打球の質が大事。球に力が伝わっているかを確認した」。グラウンド内外で、城島流が浸透しつつある。

流石プロ野球界一船と釣竿が似合う男。