今日のプロ野球

 広島の野村謙二郎監督(44)が28日、マツダスタジアムでの全体練習中に5人の外国人選手とそれぞれ個人面談し、“震災ケア”を行った。東日本大震災の影響で二転三転した調整法や、震災への不安解消などについて話したもよう。チームのカギを握る助っ人に指揮官自らが安心感を与え、開幕に集中させる配慮だ。


 グラウンドに出てきた野村監督は、練習前のアップ中から動き回った。目的は外国人への“震災ケア”だ。開幕ローテ候補のジオ、バリントンソリアーノや、新守護神のサファテ、そして4番候補のトレーシー。自ら歩み寄り、または監督室に呼び出し、じっくり会話を交わした。

 担当のコーチ陣に任せてもよかったが、「僕の言葉で伝えたかった」という。先発陣には、まだ確立されていないローテーション順について説明し、あらゆることを想定した調整方法をするようにお願いした。球場や試合開始時間が確定しない状況が続いたことに、「調整は難しいと思うので」と気遣った。

 今回の面談は、電力や原発の問題への不安を和らげることも目的だった。他球団では帰国する外国人選手が続出。しかし、直接話し合ったことで「震災のことを彼らは心配しているみたいで、募金活動にも参加したり、個人的に寄付した選手もいたので、チームになじんでいるなと思った」と指揮官の中にあった心配事は吹き飛んだ。

 今季で監督就任2年目だが、外国人選手と個別で面談したのは「初めてのこと」と話す野村監督。20年ぶりのリーグ優勝に、助っ人陣の力が必要不可欠なのは間違いない。チーム一丸を目指す野村鯉の結束は、さらに固まったようだ。

すごいなノムケン。去年とは別人じゃないか。